どこの推しもやっぱかわいい

宝塚とK-pop専門のオタクだったのに、ある日突然背後からジャニーズとかいう究極の深海に突き落とされた人間による備忘録です。主は「オタク」と呼んでください。

「プロモ戦略」について

190408 追記

 

───プロモ戦略

 

プロモーション戦略とは、マーケティングミックス(4P)のひとつPromotionのことです。

プロモーション戦略とは、「顧客とのコミュニケーションによって、顧客の態度を変化させ、購買行動に導く一連の活動」と定義できます。

(引用元:https://cyber-synapse.com/dictionary/ja-ha/promotion-strategy.html)

 

商品、ないしはタレントを売り出す上で死ぬほど大事で、何千通りもあるし正解もない、めちゃめちゃな難易度のそれ。わたしみたいな若造には到底理解しきれないし、語り切れるはずもない。けど、各方面のオタクなら一度くらい考えたことがあるだろう。

 

 

お金払うからこれ実現してくれよ……

 

 

まあこれはよっぽどのことでない限りオタクの願望にしか過ぎないし、そもそも私たちはone of the 信徒sなので、こんな烏滸がましいことを言わせていただく権利があるかというと、わたしのポリシー的には「なしよりのなし」なはずだ。でも、いわゆる消費側としては、まあ。あるよな、と思う。願掛けの規模が違うにせよ、「たけのこの里の抹茶味美味しそうじゃない?普通に買うんだけど」みたいな感想の延長線上にあるわけで。いくら信徒とはいえ彼らのショービジネスの消費者である以上、多少の願望はあってナンボだと思う。人間だもの。

 

わたしは宝塚、K-pop、そしてこのたび新参者ながらジャニーズにハマらせていただいているが、いわゆるプロモ戦略、は三者三様である。ざっくり言えば、閉鎖的なのが宝塚とジャニーズ、かなり開放的なのがK-popだと思う。

 

ここでは「閉鎖的」を「無料コンテンツが少なく、公開範囲がせまいこと。いわゆる物理的に手に入る商品が多いこと」、「開放的」を「無料コンテンツが多く、公開範囲も広い。データとして買える商品も多いこと」と定義したいと思う。

 

変な話、まったくもって「どっちがいい」ってことはないと、わたしは考えている。だってこれもまたひとつの文化だし。

 

閉鎖的であることの利点は、「消費者が然るべきお金を落とすことを以って情報にありつけること」で、開放的であることの利点は「うまくいけばお金を落としてくれる人口が増えやすいこと」。

 

だから、閉鎖するか解放するか、というのは消費者として対象にしたい層がどこのことを指すのか、というのに依るのであり、「良し悪し」ってんのはたぶん、その狙いを果たせたかどうか、がジャッジする。よって、一概に「え〜、開放的な方がいいじゃん」とか「閉鎖的な方がいいよ」とか、言いづらい。

 

例えば宝塚は、宝塚そのものが世界進出したいのかどうか、というとそういうわけではないと思う。でも、いわゆる今いるファンを大事にしたいっていう節はデカい。

もちろん新たなファンの獲得が劇団にとっての利益になることはもちろんだけれど、そんなことよりお金を落としてくれるファンだ。

だって、宝塚には消費者としてお金を落としてくれる「離れないファン」が一定数はいるから。(変な話、年齢層も高めだし、宝塚好きは割と遺伝するので新規獲得も永続的なのかも)

 

だから、新たなファンを得ることにヤッケになるより、今いてくれる「消費者」様に有料コンテンツ(宝塚グラフ、歌劇、タカラヅカスカイステージなど)を提供する方が、宝塚のファン層には優しいし、充実した"商品"になりうる

だって何でもかんでも無料にしちゃうとお金を払う意味が薄くなるし、然るべき値段でも売れるものは売れるし。

 

宝塚の場合、宝塚歌劇団そのもの認知度、というものは高いので、あとはハマってもらうだけ。ここまでくれば、あとは個人個人の好みの問題だし、その人のタイミング次第なのだ。刺さる人には一度行けばかなりグサグサ行くと思う。ウェルカムトゥータカラヅカワールド。楽しいので皆様是非、劇場へ足をお運びくださいませ。

 

 

一方K-popアイドルはというと、こちらは完全に「世界進出」を狙いに来ているし、それ以前に、国内でのグループの生き残りが死ぬほどシビア。一年にデビューするグループ数はきっと片手ではおさまらない。アイドル市場における寡占も日本ほど大きくなくて、大中小さまざまな事務所がコリアンドリームを狙ってくる。

デビューしようがしまいがサバイバル、という状況が続き、敵の数やパターンがえぐい。デビューしたら新曲を出し続けられる、なんて確証、ほぼない。

 

しかもなんとなく思うのは、韓国はグループの流行のサイクルがバカみたいに早い。入れ替わり立ち替わり流行りのグループが変わっていって、ちょっと前まで第一線を走ってたグループが新曲を出さなくなってたり、契約更新がうまくいかなくて実質解散になってたり、なんてこと割とよくある。気がする。しかも中国での活動もまたわけわかんないことになってきた。なんだよそれ。難しいな。

 

そんなアイドル事情の中無数のグループを蹴散らして生き残るには、少しでも多くの人に知ってもらう、覚えてもらう必要があって、そのためには「タダでもいいのでとりあえず俺を見ろ〜〜!」「アタシこんなこともできるんだぜ〜〜!!!覚えろ〜〜!!!」っていう精神が必要になる。

音楽番組(すごい量ある。しかも大体毎週順位付けする)ではCDの売り上げとともに音楽配信サイトでの再生数やMV再生数が問われ、そこで勝てないとまずなかなかこの先生き残るのはしんどい。

 

(cf.各音楽番組もYouTubeチャンネルなどを持つので、毎週毎週音楽番組のステージや、俯瞰カメラ、個フォーカスなども見られる。イメージ的に言うと少クラとかMステがチャンネル持ちで、自分で色々あげてくれてる、みたいな感じ。外国から追ってる身としてはかなり助かる……ってかお金払うから少クラを円盤化してください……)

 

ファンダムの大きさももちろん大事だけど、一般的な認知度なしには生き残れない。しかも一般的な認知度をつけるのがしんどい、んだと思う。だってなかなか見つけてもらえないから。

みんなこぞって「アタシらを見て〜!」とアピールしている。Youtubeとか、その他のSNSを利用したアピールを経て、ワールドワイドな客層も増えてきた。そんななかで、国内でも見つけてもらえたし、国境超えても見つけてもらえました!みたいな強者たちが日本で有名なグループの数々なんだと思う。

 

だから、宝塚はある一定の範囲内で閉鎖的であることが好ましいのだろうし(Youtubeチャンネル開設したのびっくりした)K-popは"可能な限り"開放的で、なるだけ他との差別化が図れる必要がある。K-popというジャンルにおいて、ネットとはこの点ですごく便利なツールである。

 

(※まあでもタカラジェンヌさんにはいわゆる「すみれコード」があって、むやみやたらに正体を明かしすぎない、というコンセプトもあるので閉鎖的な節もある。もうここまでくると「諸説あります」のそれ)

 

まあこれはわたしの見解で、正しいとは言わないが。つまり、諸説あります。

 

 

そして、少し前までわたしは、ジャニーズは完全に「ハイブリッド宝塚型」だと思っていた。

 

ジャニーズは宝塚同様いわゆる「離れないファン」の多いジャンルだし、彼らのドキュメンタリー映像、ミュージックビデオなどは、彼らのファンがきちんと然るべき金額を落として楽しむ。彼らの新たな一面は、やはり然るべき人が知ることができる。

国内だけの話をすれば、地上波でジャニーズタレントを見ない日はなく、この点ちょっと開放的だけれども。まあだからこそ国内での認知はやっぱり高いし、ジャニーズもあとはもう好みとタイミングの問題である。然るべき時が来たらハマってる。すごいジャンルだよまったく。こんにちはジャニーズ。

 

……とそう、そんな感じのイメージだったんだけども。このあいだ聞いた友人の一言に、わたしはかなりビビるのである。

 

 

ジャニーズJr.チャンネルできたよ。

 

 

初めて聞いた時はマジで目がテンになった。カラテンです。(?)えっ嘘だろあのジャニーズが!?となり、なんなら動画が並んでいるチャンネルのホームを見てもまだ信じられなかった。

だってあのジャニーズぞ?少し前までネット記事に写真すら出なかったジャニーズぞ?

 

まあ結局そこでわたしはSixTONESなる最強集団に出会ってしまったわけですが。まあ、そういうことだ。インターネットは、新規獲得にはちゃめちゃ向いている。特にYoutubeなんかは利用者数もバカみたいに多いし、広告塔としてのパワーはえげつない。面倒な会員登録も、課金も必要のない、すごく気軽に見られるツールである。「知って」もらえる。情報源としてテレビへの依存度が低下し、インターネットへの依存度が上昇しつつある今、インターネットの情報伝達能力は計り知れぬものとなっている。

 

しかも、このたびはジャニーズ事務所」がチャンネルを運営しているので、ジャニーズ事務所が顧客として狙いを定めている層にドンピシャで当てることも可能だ。なんてことでしょう……(ビフォーアフターの声)

 

ジャニーズが「俺たちを見てくれ〜〜〜〜!!!」を、ピンポイントでしてくる世界。

 

例えばジャニーズはレーベルを持たないがために、デビューしてから他のレーベル会社からCDデビューしたとしても、なかなか外国からだと見られない制度のままである、みたいなパターンもちょいちょい見られる、気がする。詳しい仕組みに明るくないので、間違っていたら教えていただきたい次第だが……(P.S あった。全グルが利用してるわけではないが、自己レーベルあった。)

そう。でもたぶんそうすると、滝沢秀明さんが目指している「世界発信」が叶わないんだろうな、と思う。世界、つまり国外をもターゲットとして考えていく、ということである。まあ……、するとジュニアのチャンネルを開設したことは正しいことではあるのかもしれない。

まだ他社レーベルに囚われていない生粋のジャニタレを、世界に売り込んでいくためにインターネットを活用することは、いわゆる「目的に即した方法」なわけだし。賢いわけである。

 

だから、例えばこれから先ジュニアがデビューしていくにあたって、事務所が設定する客層の対象が国外にまで回るのであれば。そう、そうであれば、それこそCDデビュー「だけ」では足りないのかもしれない。

例えば、いわゆるiTunesなどにおけるデジタル音源の販売であったり、ミュージックビデオのYouTubeでの公開、であったり。そういったデジタルコンテンツの充実も必要不可欠になるのかもしれない。それが、目的の変化に対して必要な、マーケティングの変化だと思う。

 

ただ、何度でも申し上げるが「プロモ戦略」は一種の文化である。今まで積み重なってきた定型が成してきた長所も死ぬほどあって、実際ファンがどうこう言える話ではない。なんでもデジタルになってしまって、あの開封の楽しみがなくなったらそりゃあさみしい。情報化社会にアイドル文化さえも飲み込まれてしまうのは、少々悔しい。いろいろなことがごちゃごちゃと考えられる気がする、のだ。

だけど結局、「兎にも角にも課金する機会をくれ〜〜〜〜!!」に尽きる。だって、お金を払う機会がないと本人やコンテンツに還元できないじゃないですか。いたってオタク的発想である。

 

しかし、だ。顧客の母体そのものを増やしていくことを重視するのであれば、今存在する手を最大限に活用しない手はない。さて、これが吉と出るか凶と出るかは、結果のみがジャッジできるのであるが。

 

ジャニーズは今、「ネオ閉鎖的」への第一歩を踏み出したばかりなのだろう、とわたしは思う。

 

P.S 無知で申し訳ないが、ジャニーズ、自己レーベルあるやん(もっとちゃんと調べてから書こうな───────)

 

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セブチFA(@Asazuke___100)

ジャニーズ(@bloomingroses_)